願い

写真は昨年の花魁 羽茂太夫のあゆです


彼女はうちの病院のナースなので 花魁姿を患者さんたちに見せに来てくれたのです

認知症の患者さんたちは

「花をやらんなん!」(祝儀を包まなければならない!)

と はやりさくって(興奮しまくって)

しまいには「もう思い残すことはない 死んでもええ」という患者さんもいて

あたしは

「祝儀だと?今おまえら1円も持ってねーよ」

「死んでもだと?おまえらの命は病院のものだよ」

などと思いながら


実はかなり感動してしまいました



今年は病院には花魁さんは来てもらえないだろな・・・・・


あたしは21日は病院に勤務しています


桜吹雪に高下駄履いて しゃなりーーしゃなりーー歩く花魁さんを思いながら


地味な一日を過ごすことになるでしょう 


患者さんたちの中には10秒先の記憶のない方もいます


でも その昔には佐渡の田や畑を耕し

どれだけふんばってこられたか その曲がった腰が物語るばあや

国の為と戦争に駆り出されたじいや


素晴らしい技術を持った船大工だった方

潜水士や猟師だった方


花魁さんたちがもしも来てくださったら どれだけ嬉しがるだろうかと


あたしは思うのです


それが見たい 感じたい