徘徊な人

クリェイティブな仕事に憧れているみっぴです こんばんわ

血と汚物に心を汚染されたナースの話しをします


昨夜23時ころ病棟につくと
Gさんがよろよろと病室からでてきた

かれこれ24時間くらい起きている

いやもっとか?

睡眠薬をなんだと思ってんだ?という勢い


まあ 入院した初日からよくこういう状態の患者さんはいる

夜勤は看護師2人だけの勤務

数名の重症患者さんを見ながら 
深夜帯2回のオムツ交換 体位交換や検温や痰を引いて回って
点滴を交換したり 注射針を刺しなおし
いろいろなナースコールに答え
経管栄養を準備 採血 血糖値を測定して各々インスリン注射をして
栄養剤を流してたら 早朝から救急車


そんなときもGさんは「おしっこーーおしっこー」とオムツを剥ぎ取り
ふらふらと立ち上がるので車椅子に乗せて

「ねるーねるー」というから 床に敷いた布団に寝かせ
(ベッドだと落ちる危険があるので)

他の患者さんから「うるさい!」という苦情にも対応

5分もたたないうちにGさんは「おしっこーおしっこー」

トイレにはもう10回は行っている・・

もう出るから もう出るからと ちょろちょろっとおしっこして またオムツして


でも今は救急患者が優先

「Gさん お願いだから少し待って!」とつい強い口調で言ってしまい

するとGさんが言った

「すみません おぃらは衛生兵だったからわかります。
昔、精神ナントカ棒で尻をなぐられて 夜は痛くて眠れませんでした」


あたしは「え・・」と思う

20歳そこそこの少年のようなGさんが
軍隊で尻を 精神ナントカ棒で殴られているのを一瞬脳裏に浮かぶ

Gさんをリクライニングチェアに乗せてベルトで固定し
(これは身体拘束にあたる)
救急車を受け入れる準備を始めた




徘徊、昼夜逆転

あたしは知っている


これは長くは続かない


あと数日でおちついて 数日後にはスヤスヤと眠るようになる

家族も誰も来ないことも 全て忘れて


急患の処置を終えて 朝ごはんを食べさせながら

「Gさんは昔何をしてたの?」と聞くと

「百姓です。」と

「米をつくっとったが、もうろくしたもんで やれんくなりました」


いつも胸がキュウンとなるんだよ

そういう一瞬で


「お願いだから少し待って!!」って あたし言ったんだよなー


もう忘れてるでしょ?ごめんね
忘れるって知ってたから あたし言ったんだよね 強い口調で


そうなんだ



Gさんが認知症だから あたしは言ったんだ



ごめんなさい



魂が足らんのか・・・・?やっぱそういうこと


ぎゃーーーーーっっ もう絶対やらない



「ナースは女優 心がどれだけ汚れてても
 仕事している間は天使で」


ちょっと 疲れて忘れた


はい あたしは最低です


明日も夜勤だが大丈夫


完璧にやるわ