あたしはあたし

mikeinu-miho2012-02-09

遠い昔
雪が降ると


じいちゃんラッセルいくの?


祖父はラッセルに乗るのではなく線路工だった


「線路を見てくる」


あたしは布団の中から吹雪の中を仕事に出ていく祖父を


帰ってこないんじゃないかと泣きそうな気持ちで見送った


十勝一の怪力男と言われた祖父は


60キロの米俵を肩に担いで走る競争で

何故か一人水平に腹の前に持つ格好で走り

よく腕がへし折れないもんだとみんなが言うので

あたしはそれを聞くと得意な気持ちになった

銭湯では近所の男の子たちがその筋肉を

「すごいすごい」と
まるでおすもうさんかプロレスラーでも触るようになでまわす


会津藩の武士の娘で教師をしていた気位の高い祖母を嫁にして


戦争後もシベリアから12年も帰らなかった


「ロシア人は怠け者だ。仕事をしたくないから日本人を連れていったのだ」と変な事をいっていた


その後祖父はボケて

雪が降ると「仲間が雪に埋まった…助けにいく」と徘徊するようになり

ひな祭りの日に川へ落ちてはい上がれず凍死した


…………………………………

さて
昨夜は病院へ行くと
ラッセル車ではなく
除雪車が病院の中まで入っていた


おつかれーっと手をふって


地震のために職員が集まっていた


ガタガタバタバタいつものように仕事をして

夜勤から帰って雪掻き

店の落ちて割れたグラスや瓶類を片付けた


そして一服


あーこのあたしが冬に閉ざされている…
なんて気分が沸き起こってしまった


毎日雪をかいて 犬を散歩に連れ出し ネコたちと会話する


真夜中にまた職場へと背中を丸めて歩き
朝も吹雪く道を帰り
夜は店を開ける

繰り返し 繰り返し


しかしだ
物は考えよう


それは今のあたしにとって正しい暮らし方だ


大半が週刊誌やファッション誌で占められた本屋以外に ここには何もない

インターネットの情報は奥が深いようで割合いフラットで心にヒットしない


インターネットは新聞の味がない


掲示板類は匿名で
弱い犬が吠えるばかり

確かにつまらんが


いずれにせよ春はそこまで来ているはずで


雪もこれくらいなら美しい域で
真夜中の出勤も雪女の姿を垣間見るような気持ちも決して悪くない

雪も降らない冬も味気無いはず


冬を超えてこそ
畔道におおいぬのふぐりを見つけた喜びがある


なにより!春になればあたしにはオートバイがある!
イェ〜!



そう思って 慎ましく冬を暮らす事は悪いことじゃない



そういうふうに閉ざされるのが冬と言うものだ



春が来て
汗ばむ季節が来たら
あたしはバイクでどこまで行こうか考えてる


春に希望を託して今は閉ざされているのが
あたしの冬の正しさだ


希望は旅



バイクでソロツーリング!


いろんな世界を見に行こう


バイクに乗ればあたしは大丈夫


………………………………


それから
こないだあたしの行きつけのバーで話題になった事だが


あたしが橋下を信じていないと言うのは あたしの直感であって 信じてねーよあいつはって事です

その政策一つ一つも
正しそうだけど
本当は正しくないだろ?

あたしは信じない


と言う直感です




難しいことはわからんよ


わからないけどあたしは橋下は信じない


あたしは思うんだよ

卒業式だから君が代を立って歌わなきゃクビだ?


歌えまではわかった

そういう意見はあっていいさ


でも「歌わなきゃクビだ!」はわからない


わかりたくもないね


そんなのをわかるようになったら美穂じゃない



君、キョーシなら起立して歌いなさい
起立して歌わないとクビだぞ非国民!



美穂なら言うよ



うっせーよっバカ




祝日にはアメリカ国旗を掲げて


ジミヘンを大音響で流したいね



いや別にマサイの踊りでもいいが…



カッコいいな
マサイは



そういう事だよ


意味わからないかい?


それだけで駄目かって?


つか そこだろ?


人の考えをどうこうしようなんて一番ヤダ

あたしは彼の政策が間違ってると言ってるんじゃない


「嫌だ」と言ってる


あたしはあたし


自由に考えるよ