ぺぺ・ル・モコ

邦題「望郷」のほうがいい

そういう映画だから


日本語吹き替えの動画があった

ジャンギャバン(ペペ)の声は ポルコ・ロッソ(紅の豚
裏切り者スリマンは ルパンだった

あたしは字幕のしか見ていなかったから
吹き替えもいいかもしれない


「望郷」は言いえてる まさに「望郷」だから



傷だらけの天使の最終回で この映画のことを言う台詞があった

辰巳と梅津の会話だった


「こんな映画みたことあったな」

「知ってるよ 昔新宿のどっかで見た 主演の刑事イカしてたな」

「ペペ・ル・モコのつもりか?」

ギャバンさん 吸わねえか?」とタバコを出す


そんな台詞だったよ


傷天をリアルタイムで見ていた時点で あたしは「ペペ」を知ってた


それはあたしの財産だったのかもと 今日思い出してかみ締める



あたしは子供のときに なぜか古い映画を観る機会にだけは恵まれすぎていて
それは映画好きの隣人のおかげなのだが

両親と疎遠だったあたしが入り浸っていた家の初老のダルマ職人が 

子供には分かるまいというのではなく
「好きなのを選べ」と 古い映写機でそれを上映してくれた


なんという贅沢だったかと思うが それを贅沢と思っていなかった


チャップリンの全作品を見て
オーケストラの少女
緑園の天使
ロッコ
第三の男
カサブランカ
自由を我らに
哀愁



「望郷」