ミスかい?

アメリカでは術前術後の管理は執刀医には関係ない


だから技術を磨くことだけに全てを賭けることができる


日本の脳外科医は
出会いから別れまでを請け負う


外来で出会い

何度も面談をしたり治療方針を話し合ったり
検査したり
痛い検査も時にはあるし
患者本人や家族の不安や不振
期待や願いを請け負う

完治しての別れならいいが

長い闘病にもなれば

亡くなることもある



神だと言われた医師がいて


そのミスを認めているとニュースになっているらしい


左右を間違えたとか



あたしはニュースは確認していない



手術してくれと頼まれ


すでに助手が開頭した頭を

助手がシャーカステンに貼り付けたCT
を見ながら腫瘍に向かってアプローチしていったんじゃないか?


そして病巣ではない場所を病巣だと思ってしまったのか?


あたしのこが
この患者なら


この神は地獄に引きずり落とすことだけを考えるだろう



手術はちゃんとやった
ミスはなかった
左右間違えてなどいない
完璧だった



そう言い切られた方がどれだけ救われるか


正しい神様はわかってない


ミスを認めたってことはだよ

シャーカステンに裏返しにCT貼ってあったんじゃねえの?



てのはバカバカしい汚いあたしの毒舌ですけど


戦争
震災
殺人


シンプルに子どもたちがいっぱいいっぱい亡くなって


どうやって立ち直れるかなんか


やっぱり仲間がいて
それだけのシンプルなことだけです



医療業界にいる人間だからそんな考えしか出来ないんだおめーは!と

また言われそうだけど


神様なんかいない



福島先生


あなたも苦しいだろね


正しいと思ってるなら貫け


俺は神の手を持っているんだと言い切れ


あたしはそう思ってるよ