夜の街のオートバイたち

朝日も夕陽も胸いっぱい吸い込んで


オートバイは街から街へ


思い出を歌にして
本来の自分を取り戻す

「なんにもないなんにもないまったくなんにもなぁい…」って歌ったり

「しぼったばかりの夕陽の赤が」とか

「足元に絡み付く〜」とか


(まああたしは大抵そのバージョンでして)


バイクは心で乗るんだよ



夜の街を爆音で走ってるキミたち


自分の鼓動に見合った振動をいつか知るだろうか

骨の随まで打ちのめされて ただ独りで自分に向き合って
その時にそばにいる相棒が
キミを好きだと言ってくれるかい?


バイク乗りを支えるのはバイクだよ

立っているのは自分だけど


人がああ言ったこう言った
あいつがこんなやつなんだ

そんな事で自分じゃない人間の評価をして

あげく汚い世の中だ
教育が悪い親が悪い
俺は裏切られた

なんて言ったって
キミとキミの相棒には何の関係ない事なんだ

キミの相棒はキミのスピリッツ


「お前は裏切った」と言われても自分の魂に正直でいるために


たった独りのキミを内から支える相棒なんだ


闇の爆音のキミたち

怒りや不満を街に叩き付ける道具に
オートバイを使っても

怒りを叩き付けて
無駄にスロットルを開けても
尻の軽い女をどうかしたって
自由になんかなれない

あーうるせーガキども


キミらは何もわかってない



あーこのままどこまでいけるんだろうか
どこまででも行きたい
地平線てのを見れるまで行ってみたい


そんなふうに思うことがあるはずだ


地図に引かれた道は
地図の通り決まってる
国境もあるし道路交通法もある


でもどの街まで行こうがキミの自由なんだ


キミは自由なんだよ