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弟に会いたいな
あたしが家を出ようとした時
「お姉ちゃん行かないで」と泣きながら裸足で追いかけてきた
あの時あたしは家を出て行かなかった
いつもあたしは弟だけを可愛いがり
守っていたんだ
あたしには従兄弟従姉妹はいない
両親との思い出一つない
家族は弟だけ
何でも話せる
歌も映画も本も共有してた
人の悪口も言ってたろうし
社会の理不尽について語ったろうし
愚痴も言ってたろうし
あんまり覚えてないが
姉貴とかは絶対に呼ばない
「お姉ちゃん」
「お姉ちゃん!夜のプールに忍び込もうよ!」
ある日弟と同じ保育園 同じ小学校 中学校 高校 大学を出たこが店にきた
弟がよこしたんだろうか?と思った
だってそんな偶然あるか?
その2ヶ月前に弟は死んでしまっていた