蜩の記を読んで

これから読みたい方は、ネタばれなんで読まないでね。





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免罪に一言も釈明もせず切腹の日を待つ男。

読み進んでますます戸田秋谷は救われるべきだと思った。

ところが源吉の一件により「ああ、これはもう死ななければならない」とあたしは項垂れた。

源吉こそ決して死んではならない人間だった。

百姓の子どもなど知らんという家老には背負う資格もない。

源吉の生命はそんなに軽くない。

真の武士、秋谷が背負って死ぬしかなかった。

糞家老も秋谷に殴られそこは悟ったが人間の心根は変わらない。

とにかく、この本の中で 一番心に残ったのは農民の息子の源吉だ。



映画がどう描いたかを確認したくなった。

また、一枚の挿絵もない(最近の小説で挿絵のあるものは少ないが)淡々とした文章だったが

川や鳥、カワセミの羽の色や風、季節季節の風情に生命を感じた。

書籍そのものが映画のようなものをどう作ったのか。

がっかりしたくないな。



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一冊一冊の本が今日のあたしを少し変える。

一本一本の映画が今日のあたしを少し変える。

物事の捉え方や考え方を少し変える。

あたしはこのごろ、誰かに何かを意見する人間はやめようと思っている。

「あたしはこう思う」だけで良い。