心から好きな箇所

16才の頃にも同じ所で、心が柔らかく暖かくなった。
マリラが映画のようにあたしの目の前に現れた。



マリラは背の高い痩せた女で、
丸みのない角張った体つきをしており、
白髪の見え始めた黒い髪をいつも後ろでかたくひっつめにして、
二本のかねのピンでぐさっととめていた。
見るからに見聞のせまい、ゆとりのない心持を思わせたが、事実その通りだった。
しかし、口のあたりに何か、もう少しどうかしたらユーモラスなものになる、と言えなくもない感じがただよっていた。