一茶
藤沢周平の一茶を読み切った。
若い一茶が芭蕉の詩を心に刻み込んだ一節と
子ども達 そして妻を亡くして行くシーン。
一茶が生身に感じられ、その体温や匂いまで解る。
生き長らえて一茶の生命は他者含む生きもの全てと供にあるのだ。
Amazonのレビューを読んで「やはり一茶は好きになれない。師の死の句も読んでいない」には悲しくなった。
あたしは無二の親友の危篤に立ち会わず、墓の場所も知らない。
倒れてから一度も見舞いにも行かなかった。
彼女は今も生きていて、死ぬなんて認めない。
大切すぎて 何年か経ったからやっとこうやって何とか書けるのが関の山だ。
一茶が見つめたのは市井の人々の仕事を懸命に眺め、
そして小さな生命と供にあったからずっと貧乏だった
猫の子がちょいとおさへる落葉かな
やせ蛙負けるな一茶ここにあり
宝物をありがとう。