現状

今日は21歳の新人の女の子と夜勤です

あたしはいつまで現場にいるのかわかりません

3月半ばから先週まで夜勤と外科系外来を行き来していた時点で病棟がどう回っていても
自分には頭を整理する時間も余裕もなく
急性期の患者さんが搬送され 呼吸器をつけられている状態でも
何が起こっているかも人の伝で知るだけです

あたしは医師ではないし 直接の治療方針には関わらないのが それが自分の職種の域です


自分が救急に5年 脳外科に11年というキャリアは
佐渡の地域医療には何等意味を持っていない


という現状がきついです


あたしは自分の家族 夫にもよく話すのですが
「あたしは何かのプロでいたい」という話し


家庭料理のプロでもいい
釣りのプロでもいい
編み物のプロでもいい
チーズ作りのプロでもいい
牛を育てるプロ
家を建てるプロ
車やバイクの整備のプロ
溶接のプロ



あたしは知り合いの そういう職人 技術屋を思い浮かべると泣きたくなるのです


あたしは今はプロじゃないと

あたしは何をやってんだと


まあ とりあえず今日は夜勤にいってきます


新人の女の子には あたりまえの教科書通りのことを教えます
それは大切なことだから

偉そうに教えます

幸い 低酸素脳症の患者がいます
あたしの友人の家族です
どれだけその友人にとって大切な人か あたしにはわかってる

新人の彼女にはそういうベースはどうでもいい


急性期の脳障害の患者をこの小さな地域密着型の病院で診ている重さを味わいつくし
医学が科学である部分でしか あたしらには関われないし関わるべきではない


一方 あたしは医者に媚売って ゴマすって そして指示をもらう

自分のためじゃない

患者のためだ


給料もらってるからな


あたしは醍醐味が味わえるのがプロだと思ってる


やれたことへの報酬は


やったことの本質がどうかだ



まあ そんなとこです