Heat


あたしは無類の映画好き

そのあたしの一押しの一つ「HEAT」


他の人がこの映画をどんな風に観たのかいくつかのレビューを読んだ


男臭い男の映画

ヤマを踏むプロとそれを阻止するプロ

だいたいそんなことが書いてある

予告動画には伝説の12分の銃撃シーンをピックアップ



あたしは泣ける映画だと思った 


刑事アル・パチーノは「もっと会話が欲しい」という妻に言う

「は?今日は電子レンジに丸焦げの赤ん坊が入ってたぜ!なんて話しをするのか?」



犯罪者デ・ニーロは言う

「30秒フラットで高飛びできるよう 面倒な関わりは持たない」





アル・パチーノが家族を愛していないわけではない
そんな優しく甘いセリフはどこにも出てこないが
実際 彼は家庭を何が何でも失いたくないのだ

それが あの悪態から演じられるアル・パチーノは素晴らしい



デ・ニーロは犯罪を組織する仲間を守り抜くドンであり
「30秒フラットで・・」の鋼鉄の志は 
ある日 本屋で出会った地味な女に惹かれ 
それこそあっというまに落ちていく
それがティーンエイジャーの初恋のような恋なのだ

ダンディな大人の台詞が 実は犯罪のプロ中のプロである男が彼女を優しく扱い
そして正体を明かせないで堅気のフリをしてしまう・・
純情すぎる内面をやはり台詞じゃないところで演じるデ・ニーロは素晴らしい




刑事と犯罪者である二人は お互いの共通点を感じ合い
情とは言えないが・・やはり情としか言えないから
あまりに歯がゆいというか
 
結末に 男同士は映画史に残る男らしい最後を迎える


そして30秒フラットで高飛びできなかった男に残された女が ただ泣いている


そんな映画だった