とります君へ

関西は昼も夜も蒸し暑くて 

今日も商店街では道を挟んで
タイガースは今日はどこで試合だ?と
おっちゃんとおばちゃんが会話してるのかな

自転車のおばちゃんが口で「ちゃりんちゃりん!!」と叫びながらわが道を行く尼崎



「俺は日本に家賃を払ってやってるんだ」 とあなたは言った
あたしは大人しく黙って 何も聞いてないようなフリをして
あたし特有の野生の本能がうずいてしまったことを思い出したよ


そのあなたがくれたDVDを昨夜初めて見た
あのあなたがくれたDVDを昨夜まで放置していた


最初ね 映画の題名「Cry Freedom」って
あたしは気が付かなかったんだ

あたしが見たのは「遠い夜明け」という邦題だったから

字幕に「これは真実だ」「ビコ」・・・という始まりでドキってした


ビコ ビコ!スティーブビコ!


あたながくれたDVDはビコの映画だったんだ


群馬からでた ポップバンドのボウィがやめるころかな?
ロックバンドのブルーハーツが飛び跳ねてたり
中島悟がおっさんぽく「タイヤがへたっちゃってさー」とか言いながらF1に出てた


あたしはあの頃浜松にいて 

「遠い夜明け」という映画を見るために静岡まで行ったのだった


「投獄されようが 拷問されようが 殺されようが 俺は俺だ」


今、ビコにあなたがどんな想いを寄せたのか思わずにいられない



ビコを知って「遠い夜明け」を見ようと静岡に行った時
世の中はバブルに酔って 「アメリカも買っちゃうか?」と浮かれてたころだった


あたし個人は自分の事しか考えていなかった


自由と自立と直感と恋愛が全て 


経済がどうとか 大金がどうとか 
誰かが話題にしても「そんなのあたしに関係ない」とわざわざ言葉にして
場をしらけさせないではいられなかった

ジュリアナ東京のバカ女はみんな死んでくれと言葉にしてた


あたしは南アフリカアパルトヘイトの上に 日本経済が成り立っているというのを
何で知ったかなんか忘れたが ダイヤモンドに我慢ならない嫌悪感があった

だからレコード針についてるダイヤモンドにさえ不信感と罪悪感を持った


「これは何カラットのダイヤなのよ」 とTVで自慢そうに言う芸能人はその場で
「はい 終了 あたしは一生この芸能人は嫌い」と

その癖は未だに変えられない



生涯ジーンズとTシャツ 安っぽい服着て 宝石と毛皮は買わないしもらわない

それもたぶん変えられない



「Cry Freedom」


とります君 あなたがこれを選んだのを知って 
あたしは特別の感情を持って観ないではいられないんだよ


あなたがこんなあたしの文章を読まないのを知っているから書いているんだけど(笑)
知ってたら書かないよ(笑)


元気でやってるのかな?


それと今回気が付いたことなんだけど
リチャード・アッテンボロー監督なんだね


大脱走にでてたビッグX ゲシュタポにやられた傷が痛々しく残り
屈強でありながら そのトラウマが決定的なミスをやらかす
あの1秒か2秒のシーンが痛い

なんてことも思い出したよ