創傷治療について

偉そうに書くが偉いわけではない

熱傷を負った友人がいて 死ぬかな?と聞かれたんで
そーだな そういう相談にはのれるあたしだったってことで・・


でもね
実際メールや電話で聞かれても 基本マニュアル通りのことしか教えれない

個人差 傷の差は千差万別

だからあたしが教えたことで死んだらゴメンヨ>まる


んーーちょっと心配だな 


それはおいといて



もし床ずれなどで苦しんでいる方がいれば病院に来てくれたら相談に乗ります



必ず治せるとは限らないです
日々あーじゃないこーじゃないと模索しているというケースもあります
でも結構だいたい治ります
 

最近近隣の病院から なんとかしてくれと転院される患者さんもいて
皮膚欠損 主に床ずれは非常に面倒なので本当は宣伝したくないんだけど
でも 下記のようなのはやっぱ地獄だと思うんで

(以下 グロぃ文章なので注意)


3ヶ月ほど前


「こんな傷の紹介状来てるよ」と言われ

「えーーーっ・・・・こんなの自信ないよ・・」とちょっと不安で

そんで入院してきたら



「ぎゃーっお尻が腐って仙骨の下っから腸がでてるよ
 もう絶対無理 むりむりむりっ
 膿どんだけでるんだよ!!むりだって!」


って思ったけどさーーー


あれ けっこう早く治ったね?



それは一つの喜び 自己満足の世界です





一応病院からの転院の場合は 全て完治しなくても
3ヶ月たったら一旦患者さんはお引取りください


全く改善しない状態ではお返ししません


感染もなく 肉芽の状態が良好で 欠損部位が縮小し
処置方法も簡単な状態になった状況でお返しします


うちの病院も裕福ではありませんのでお願いします



病院へいってまずやるのは床ずれや熱傷 その他の皮膚欠損に対する処置で
だいたい2時間近くはかかる


毎日いろんな傷を見ていて 昨日と今日の差を見ながら
もし悪くなれば処置を見直し 薬剤や貼る物を変えたり
全身状態が悪ければ 皮膚欠損は決して治らないのであって
その改善もはからないとだめなんですよ

全身状態ってのは まずは栄養状態をよくしないとだめなんだけど

食べさせようとしても 一食食べるのに何時間かかるんだって患者さんは多くて
早く食べさせればムセて すぐに肺炎になりかねないし
下痢しやすかったり もー大変・・



かなりめんどくさい



骨にまで達する欠損であっても
一応入院期間は3ヶ月


3ヶ月で治せるか?無理じゃね?って思うことも多々あり


3ヶ月もかかるのかってみなさんは思うでしょうが・・
あたしが最も長くかかったのは3年かかったってのもあります


他院から依頼されたもので お尻全部に穴があいて
ポケットは大腿に達し
腐ってドロドロで・・

最初に見たときは そこに膿だらけのガーゼが何枚も埋め込まれ

ひどい熱で栄養状態も悪く 傷いじってるうちに殺すかと思った・・・



あれは3年かかった・・・



こういうことをやってきて
壁にぶつかって どうしても治ってこないというとき


あたしはとりあえず「今日はワセリン塗っておこう 明日までに考える」といって傷をワセリンで塞ぐ


これは経験であって 偉い先生たちがエビデンスを示せといっても
そんなものは何もないんだが

ワセリンは悪さはしない

一般的に熱傷や床ずれに「ゲーベン」という薬が日本中で一番メジャーで
それが感染を防ぐ潰瘍治療剤の王様として使われている

でもあたしは ゲーベンではかなりの率で痛い思いをしているので
これには結構ナーバスです

できれば使いたくない

この仕事に関わった人はわかると思うけど 踵は治しにくいっすね


踵(かかと)の皮膚欠損はとくに ゲーベンでは痛い思いをするように感じる
なのでもっぱら第一選択はワセリンです


儲かりません
でもしょーがない 

踵はなぜかワセリンがよく治る

なんでかな???


103歳の真っ黒に壊死した踵をこないだ治したのもワセリンだった

103歳でも治るんだなーと はっきりいって自分でも驚いているが
103歳という年を迎えることのできる元来のタフさがベースにあるのだと思う


家庭でこれをやるのは難しいと思うが

基本は洗浄です 微温等をペットボトル一本使ってやるとかでいい
消毒液は使わない

それからガーゼは使わない 貼り付いてせっかくできた良い皮膚もまたはがしてしまう

何を使うかっていうと サランラップとか 紙おむつとか 生理用ナプキンとか
貼り付かないものです




あと プライベートな時とお店にいるときに相談は受けれません


あたしが白衣着てる時だけでお願いします


なぜかというと 実際見ないとわからないからです